大阪・関西万博来場記録

EXPO2025


第26回

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来場26回目 /Aug.17,Sun.

一般来場者数:137,919人

 今回の万博で、あなたのベストパビリオンはどこですか?という質問を多くの人にしたならば、 ダントツで1位になると思われるのが、「イタリア館」である。 これは誰もが認めるところであろう。

 開幕直後のまだ会場が混んでいなかった時期から、既に人気パビリオンとなっていた「イタリア館」だが、 ここの特徴は、ほぼ無制限と思われるくらいに並ばせることだ。

 当初から3時間待ちは当たり前。夏頃になると、もっと長い時間並ばないと入ることができない状況になり、 秋には6〜7時間待ちという状況になった。でも、逆に言うと、並びさえすれば入館できるわけで、 国内のほとんどのパビリオンのように、抽選に当たるか、先着順で厳しい戦いを勝たなければ入れないというよりも、 断然良心的。まあ、これは、国民性なんだろうと思う。

 博覧会協会から「たくさん並ばせるな」と、再三苦言を呈されていたとも聞く。しかし、どこ吹く風。 さすが、お上に従おうとしないイタリア国民気質とでも言おうか、 ただ入館者のことだけを思ってくれていた(と我々は捉えている)からこその姿勢ではないか。

 そんな「イタリア館」だが、入館のための裏技も存在していた。それが、イタリア館独自のアプリである。

 そのアプリの存在を私が知ったのは、5月初旬。専用アプリから入館予約ができるという情報を、SNSで得た。 早速ダウンロードしてみたところ、まだかなりの日程が空いていた。ただ、その時点で週末は8月以降しか空いていなかったので、 ゴールデンウィーク頃に、私は8月17日(日)入館を押さえておいたのだ。

 今思えば、もっとたくさん押さえておけばよかったのだが、遠慮してしまい、とりあえず1日だけ押さえればいいや、などと思ってしまった。 また取ればいいと考えたからだが、その後、専用アプリからの予約はあっという間に埋まり、もう2度と取ることはできなかった。 正直、遠慮なんかしなければよかったと思った。

 この日の万博来場予約は11時。イタリア館専用アプリからの入館予約は、14時10分。 夫婦で午前10時くらいから自宅最寄駅近くの喫茶店でモーニングを食べ、11時台の電車に乗る。 夢洲駅改札通過は12時05分。おそらく入場は、12時半過ぎくらいではなかったか。

 イタリア館に向かうまでの行動については記録がないので、わからないが、セービングゾーンのイタリア館前に着いたのは、 入館予約の30分ほど前である13時40分頃。そして、14時10分には、予定通り入館。

 「ついに入れる!」というワクワク感の高まりは、おそらく半年間の万博経験の中で、この日が最高潮。 そして、その期待感を大きく上回る感動を与えてくれたのも、イタリア館がトップである。

 メインの展示室に入る前のシアターで上映されたのは、イタリアという国が歴史的にいかに芸術というものを大切にしてきたかを改めて伝えてくれる動画。 その映像が映されていたスクリーンが実は4枚の扉で、動画の終盤に静かに回転して開くと、向こう側が展示室になっているのだ! このギミックに、入館者は皆驚き、一様に声を上げていた。


 とにかく展示物が圧巻。最も話題となっていた「ファルネーゼのアトラス」や「キリストの復活」などの彫刻を、 本当に手を伸ばせば触れられる近さで鑑賞できる。もちろん誰も触ろうとはしないし、一応警備員も立ってはいるが、 こんな距離感でゆっくり鑑賞できるだけでも驚きなのに、なんと写真撮影も動画撮影もOK。

 イタリア人の性格が大らかだからでは、きっとない。彼らの芸術に対する揺るぎない自信がそこに現れているのだと、 私は理解した。写真は所詮写真。動画も所詮動画。本当の感動は、実物を観ることでしか得られない。 たとえ写真や動画をどこかで勝手に公開されたとしても、それによって芸術そのものが冒涜されることにはならないし、 むしろ、写真や動画では真の感動は伝わらないという冷徹な事実が伝わるだけである。 実物を観たい!と思ってくれて、実際に足を運んでくれればいい。

 実際、私も写真や動画を撮りまくったが、ここで公開するためではなく、こんなに素晴らしいパビリオンを自分は体験したという記録を残したかったからだ。

 カラヴァッジョの「キリストの埋葬」や、ダヴィンチの直筆の設計図など、すべて本物を一か所で観られる機会なんて、 他にはないだろう。イタリア本国に行って、ここの展示品をすべて観て回ろうとしたら、とんでもないことになる。 ここのパビリオンだけで、入館料を1万円、いや何万円払ったって良いと思ったものだ(もちろん、万博だから入館は無料)。 こんな経験、人生最初で最後だろうなと思いながら、心ゆくまで鑑賞した。

 結局私達夫婦が入館できたのはこの日だけだったが、展示品が後から追加されたりしていたので、 本当はもっと入りたかった。では改めて6〜7時間並ぶか?と考えてもみたが、その根性はなかった。一度も入っていないのなら、 並んでいたかもしれないが。

 館内をゆっくり観覧した後、屋上に上り、庭園を散策。もうここには来られないかもしれないという思いを抱きながら、 ゆっくりと堪能した。

 結局、イタリア館の滞在は1時間以上。出たときには、15時半頃になっていた。 この後、西ゲート前を通り、風の広場マーケットプレイスの「好きやねん大阪フードコートWEST SIDE」にて早めの夕食。 私は、ネギトロ丼とビールを購入。16時頃から20分程度滞在した。

 食後はまた西ゲート前からリング方向へ。リング下を北方面へ進み、「TECH WORLD」へ。

 私は既に2度入館しており、妻も1度入っているが、以前とは別のプレゼントがもらえるかな?という期待もあって、 入ることにした。

 この頃は、すでに大人気パビリオンとなっており、すぐに入れる所ではない。この日は、待機時間が120分程度だったと思うが、 それならまあ並んでみようということになった。実際、入館できたのは18時半過ぎ。 ここは、待機中も外で様々なパフォーマンスをやってくれているので、それを観ながら待つことができる。 また、出てくる人たちが手にしているお土産(無料プレゼント)を見て、今の時間は何がもらえるのかを確認したり。

 もちろん、上映される映像なども素晴らしいので、3度目でも十分楽しい。また、台湾で多く育てられている胡蝶蘭がたくさん飾られているので、 改めてゆっくり鑑賞できた。

 これまで2度とも頂いたプレゼントはタオルだったので、今度はバッグ系が欲しいなと思っていたが、 頂けたのは、小さなジッパーポーチに入れられた帽子(ハット)だった。後日、色んな人のSNSなどを見ていたら、 トートバッグなどは、午前中に入館するともらえるという情報を見た。そういえば、午前中に入ったことはなかった。 まあ、これも縁だろう。

 TECH WORLD を出て、向かったのは、もう一度イタリア館。先ほどそそくさと早めの夕食を済ませたことで、 また3時間ほど経って小腹が空いたので、以前にも食べたことのある PINSA を外の売店で購入。 前回はマルゲリータ風の「レジーナ」(トマトソース+モツァレラ+バジル)だったので、今回は「トンノ」(ツナ+オリーブ+ルッコラ) にした。1,600円也。大きさを考えると、いかにも高いが、もうこの頃には万博価格に完全に慣れきってしまっている。

 この日は結構風があり、リング下のベンチで荷物や飲食物が飛ばないように、一生懸命押さえながら食べたことを記憶している。 この風のために、そんなに暑くなかったことも覚えている。



 時刻は19時半を回っている。イタリア館前からリング下を南下。オランダの角を左折して進歩の広場へ出て、 ウォータープラザマーケットプレイス西の方向へ。そのままウォータープラザの西端あたりで、 19時57分からの「EXPOミニ花火」を鑑賞する。

 5分ほどで花火が終了すると、一旦人がサーッといなくなるので、少しでも海寄り、真ん中寄りに座る場所を確保し、 20時30分からの水上ショー(アオと夜の虹のパレード/本日2回目公演)を観ることに。

 そして、水上ショーが20時55分頃に終わると、そのまま20時57分からのドローンショー(One World, One Planet)へと続くわけだが、 この日は悪天候により、ドローンは中止。こういう時は、すぐに東ゲート方向へ移動し、 東ゲートマーケットプレイスのローソンが21時20分に閉店する前に駆け込み、アイスなどを購入する。 住友館の前あたりのベンチに座り、楽しかった1日を総括。

 今日は、イタリア館、TECH WORLD、食事、花火、水上ショーと、ずっと夫婦で共に行動した。 一緒に出掛けても、途中で別行動を取る日は多いのだが、この日は、興味が共通している場所ばかりを回ったためだ。

 念願のイタリア館に入ることが出来た今、「あなたのベストパビリオンはどこですか?」 と改めて問われたとしても、私はイタリア館とは答えない。 もう別格過ぎて、順位付けなどしてはいけない存在だ。 他のパビリオンの多くが、映像や装置など作られたものばかりなのに対し、 国に存在しているものを持ってきて展示しただけなのが、イタリア館である(シアターの映像を除く)。 そしてそのことが、こんなにも多くの人を魅了している。 たとえ6時間以上並んででも観たいという意見がそれを表しているし、またそれだけの価値がある。

 最高の1日を終え、この日はおそらく21時40分頃に東ゲートを出て、夢洲駅改札を通過したのが22時08分であった。

(2026年6月29日記す)

EXPO 2025 / OSAKA YUMESHIMA Apr.13-Oct.13,2025